飛行機に乗ってワクワクしながら待っていた機内食──なのに、なぜか「まずい」「量が少ない」「見た目が残念」などの理由でガッカリした経験はありませんか？
実は、機内という特異な環境や料理の調理・再加熱プロセス、さらには乗客の“味覚の感じやすさ”など、複数の要因が重なって「ひどい機内食」を生み出しています。
本記事では、そんな“まずい機内食”の典型例とその原因、さらに回避・対策のコツまで徹底解説します。
ひどい機内食とは？──「まずい」「量が少ない」「見た目が悪い」の実例
機内で出される食事に「これはひどい」と感じた経験を持つ人は少なくありません。
特に「不味い」「量が少ない」「見た目が悪い」といった不満はよく聞かれます。ここでは、乗客が“ひどい機内食”と感じやすい典型例を具体的に見ていきます。
まずい／不味すぎる機内食の代表例
離陸前に地上で調理された料理を冷凍保存し、機内で再加熱して提供される機内食。再加熱は熱風オーブンが一般的で、その過程で食感や風味が大きく損なわれることがあります。
また、機内特有の湿度や気圧、騒音といった環境が、私たちの味覚や嗅覚に影響を与えるため、地上での同じ料理より味が薄く・平板に感じられやすいという指摘も少なくありません。
その結果、「期待とまったく違う」「これなら食べないほうがまし」という失望を経験する人は多いようです。
量が少なくて満足できない機内食
とくにエコノミークラスの機内食では、器に詰められた食事の量が少なく、満足感に欠けることがあります。長距離フライトでお腹が空いていたり、時差の影響で食欲が増していたりする場合には、特に物足りなさを感じやすいようです。
また、複数回の食事が出るビジネス・ファーストクラスと比べると、量や内容に差があるため、期待値が高かった乗客ほど「少ない／足りない」と感じやすい傾向があります。
その結果、「空腹のまま到着した」「機内食のせいで旅行の満足度が下がった」といった不満につながることがあります。
見た目が悪い・盛り付け雑・プラスチック感が強い機内食
エコノミークラスでは、紙トレイやプラスチックの容器・カトラリーを使って配膳されることが多く、高級感や食欲をそそる見た目からは程遠いケースが少なくありません。
また、盛り付けが雑で、「お皿の中に無造作に詰められている」という印象を受けることも多いようです。たとえ味自体が改善されていても、第一印象が悪ければ「まずそう」「食欲が湧かない」と感じやすく、それが「ひどい機内食」という印象につながります。
特に色彩や形、盛りつけバランスといった“見た目の印象”は、味覚と同様に食事の満足度に大きな影響を与えます。
臭いや温度が「生ぬるい／冷たい」で失敗している機内食
機内で再加熱された料理は、本来の温かさや出来立ての香りを失っている場合があります。再加熱が不十分あるいは冷めてしまっていると、「温度が適切でない」「温かみを感じない」といった不満が出やすくなります。
また、保存や再加熱の過程で食材の水分が飛び、パサつきや独特の臭いが強くなることもあるようです。これも、機内食が「まずい」と感じられる一因です。
実際に、「料理の温度や香りが期待とは全然違った」という声は、多くの旅行者レビューで見られます。
味の濃さ・バランスの悪さ — ソース過多 or 味気なさ
機内食では、乾燥や味覚の鈍りを補うためにソースや汁気の多いメニュー、塩気やうま味を強めた料理が採用されることがあります。
しかし、そのアプローチが裏目に出て、ソースが濃すぎたり、逆に味が濃くないために淡白すぎたりと、バランスを欠いた料理も少なくありません。その結果、「味がくどすぎる」「物足りなさを感じる」と感じる人がいます。
このように、味の“狙いすぎ”や“手抜き”が、不満につながりやすいようです。
“ミステリーミート”や内容不明なおかずの体験談
「これ何の肉だろう…？」と感じるような、正体の分かりにくいおかず、いわゆる“ミステリーミート”も機内食批判の典型です。調理・保存・再加熱の過程で食材の食感や色、匂いが変わってしまい、何を食べているのか分からなくなることがあります。
多くの乗客は「興味本位で頼んだら後悔した」「料理名と実際の内容が全く違った」と語り、これが「ひどい機内食」評価の引き金となることがあります。
こうした体験談は、機内食に対する期待を裏切るきっかけになりやすく、インターネット上で広く共有されています。
機内食に対する“期待とのギャップ”によるがっかり
一方、「機内食＝そこそこの食事」という期待値が高いと、地上のレストランと比べてどうしても劣る機内食は落胆を招きやすくなります。特に初めての長距離フライトや高級感を期待した便では、そのギャップは大きく感じられがちです。
また、SNS映えや“旅の非日常感”を期待していた場合、質・量・見た目すべてで裏切られる可能性があります。こうした“期待のズレ”が、機内食を「ひどい」と感じる根本の理由になることも少なくありません。
このように、機内食の評価は味だけでなく“期待とのギャップ”が大きく影響しており、それが多くの人に「ひどい機内食」という印象を残すのです。
なぜ機内食が“ひどい”とされるのか──原因を整理する
なぜ多くの人が機内で出された食事に落胆するのか。
それには、旅客機の特殊な環境や、事前調理・冷凍・再加熱の流れ、そして大量供給を前提とした航空会社の都合など、複数の要因が絡み合っています。
ここでは、「機内食がひどい」とされやすい主な原因を整理してみます。
飛行機特有の“高高度・低気圧・乾燥・騒音”が味覚・嗅覚に与える影響
飛行機が巡航高度に達すると、気圧は地上より低くなり、機内は乾燥しやすくなります。こうした環境では、塩味や甘味といった味覚が鈍りやすく、風味を感じにくくなることが報告されています。
さらに、機内で常に鳴り響くエンジン音や周囲の雑音も、味の感じ方に影響を与える可能性があります。静かなレストランと比べると、同じ食事でも味が薄く感じられやすいのです。
このように、われわれ自身の「味を感じる能力」が地上にいるときとは根本的に異なるため、せっかくおいしく作られた料理も「まずい」と感じられやすくなります。
事前調理 → 冷凍 → 再加熱 という流れによる味・食感の劣化
ほとんどの機内食は、地上のケータリング施設で調理されたあと冷凍保存され、飛行中に再加熱されて提供されます。つまり、出来たてではなく“いったん冷凍されたものを温め直す”形です。
この過程で、食材の水分が飛び、風味が落ちたり、食感がぱさついたりすることがあります。特に肉料理や野菜料理では、その差が顕著になりやすいのです。
また、機内では電子レンジや直火が使えず、熱風オーブンなど限られた方法で再加熱するため、地上での出来立ての料理とは別物になってしまう可能性があります。
ケータリング会社・航空会社のコスト削減・大量供給によるメニュー・品質の制約
航空会社は、多数の乗客に対して短時間で機内食を供給しなければなりません。そのため、コストを抑えながら大量に調理・梱包・輸送する必要があります。結果として、品質や調理の手間に制約が出やすくなります。
さらに、さまざまな国籍や年齢、味の好みを持つ乗客に対応するため、料理は万人受けするよう“無難”なメニューや味付けに落ち着きがちです。そのため、個性的で鮮烈な味や風味を出すのは難しくなります。
こうした事情が重なり、「機内食はそもそも“地上の料理”ではない」という前提が、多くの人に「ひどい機内食」という印象を与えてしまう原因になります。
メニューの単調さ・多様性の欠如、および万人受けを狙った味付けの限界
機内食では、定番メニュー（チキン、パスタ、ライス、ビーフなど）が多く、頻繁に同じような構成が繰り返されることがあります。これは、調理・梱包・再加熱の効率化を優先する結果でもあります。
また、刺激の強い香辛料や凝った味付けは避けられがちで、塩味・甘味・うま味を控えめにした“無難な味”になりやすいため、「地上の料理と比べて物足りない」「平凡で魅力に欠ける」と感じやすいのです。
このような単調さと味付けの限界は、「ひどい機内食」という評価を後押しする大きな要素のひとつと言えるでしょう。
海外・国内で報告されている「ひどい機内食」事例
世界中では、機内食に対して「期待外れ」「ひどい」と感じた乗客からの報告が少なくありません。ここでは、航空会社別の悪評や、口コミ・体験談、さらには便種別による差異など、「ひどい機内食」が実際にどのように語られているかを紹介します。
世界の航空会社で「まずい／ひどい」と酷評された機内食の例
ある調査では、いくつかの航空会社の機内食が「最悪 (worst)」に挙げられており、なかでも主に欧米系や格安エアラインの便が酷評されています。
たとえば、あるレポートでは、チキン料理が“冷めてパサつき”ライスは“固くて噛めないくらい”と評され、機内食として著しく低評価でした。
また、ある格安航空会社では、「パンの中身がスカスカ」「バゲットにハムとチーズだけ、とても満足とは言えない」というコメントが報告され、食事というより“作り置きの軽食”と化していたという声もあります。
こうした報告は、期待していた“機内食”という概念と、実際に配られる“簡易食”とのギャップを象徴しており、多くの乗客に「ひどい機内食」を印象づけています。
ブログ・口コミで語られる“地獄のような”機内食体験談 【国内／海外】
インターネット上には、「搭乗前は期待していたのに…」といった辛口レビューやブログ投稿も存在します。たとえば、ある利用者は長距離便での機内食について、「グルテンフリーミールを事前リクエストしたが、実際にはメインが提供されず、代わりに“おまけ的”な食事を渡された」と報告しています。
また、別の投稿では「ご飯とパンの両方が出る“炭水化物攻撃”だった」「おかずとご飯の配慮がなく、ご飯が汁気を吸ってベチャベチャになった」「見た目も貧相で、食欲が湧かなかった」という不満が綴られており、乗客の失望感が伝わります。
これらの口コミは、“機内食”への期待 — とくに国際線や長距離便での“まともな食事” — が裏切られたときのリアルな反応として、多くの読者の共感を呼んでいます。
長距離便 vs 短距離便で機内食の満足度が違う？ 実例比較
報告の中には、便の長さや路線によって機内食の満足度が大きく異なる、というものがあります。例えば、長距離便では複数回の食事提供が期待されますが、その分「冷たくパサついた肉」「不味い軽食」が出されることがあり、満足度が低いという声が目立ちます。
一方、短距離便や格安航空の軽食サービスでは、“機内食”というより“簡易スナック”に近く、そもそも内容に大きな期待を寄せない乗客も多いため、ギャップの衝撃は比較的少ないようです。
このように、「期待 (長距離、国際線)」 と 「実際 (料理の質や量)」 の落差が、機内食に対する不満を生みやすい構造になっているようです。
“機内食の失敗”が原因で体調不良や食中毒になった事例——安全面の懸念も
機内食にまつわる最悪の事例として、過去には食中毒事故が起きたケースもあります。1975年には、ある国際便で提供されたオムレツをきっかけに乗客約140名が食中毒を起こした事故が報告されています。
また、1992年には別の便で食事が原因のコレラ感染が発生し、乗客の死者まで出たという記録もあります。
もちろんこうした事例は極めて稀ですが、「機内食＝安全＆安心なサービス」というイメージに対して、一部には明確な安全面のリスクが存在することも忘れてはいけません。
“ひどい機内食”をできるだけ回避するためのコツ
機内食に失望しないためには、単に「運に任せる」のではなく、搭乗前にできる対策を講じることが重要です。下記のような“回避のコツ”を知っておけば、かなり満足度の高いフライトに近づける可能性があります。
事前に特別食（ベジタリアン／和食など）をリクエストする
多くの航空会社では標準の食事以外に、ベジタリアン、和食、宗教・アレルギー対応などの特別機内食（スペシャルミール）を予約段階で指定できます。たとえば ANA や JAL ではそうしたサービスが案内されています。
この方法なら、冷凍・再加熱による劣化が出づらく、比較的シンプルで味付けが安定した食事が出されることもあるため、機内食への失望リスクを下げやすいです。特にアレルギーや苦手食材がある場合は、事前リクエストが安心です。
ただし、便やクラス、航空会社によっては対応していない場合もあるので、予約後に必ずメニュー内容や提供可否を確認するようにしましょう。
フライト時間・便の種類・経由地などから“機内食の質”を予想する
フライトの種類や路線によって、提供される食事の“質”には差が出やすい傾向があります。長距離国際線では機内食が出る可能性が高くても、短距離便や格安航空では軽食またはスナックのみの場合が多く、内容はあまり期待できないことが多いようです。
また、乗継便や深夜便では積み込み地・調理地の条件・タイミングによって料理の仕上がりや鮮度が左右されやすいため、あらかじめ便をチェックし“機内食の出来”に不安がある場合は何か補助を考えておくのも手です。
事前に搭乗する便の条件をざっと見直し、「この便なら質はあまり期待できないかも」と判断することで、搭乗前から心の準備をしておけます。
空港で軽食を仕入れて、機内食を補助 or 代替する
機内食に頼らず、出発前に空港でサンドイッチやおにぎり、パン、スープ、ナッツ類など“機内で崩れにくい軽食”を購入しておくのは根強く有効な方法です。こうすれば、機内で「空腹」や「失望」を避けやすくなります。
特に長距離便や便によっては食事提供が１回だけ、あるいは期待はずれ、という可能性もあるため、自前の食事があると安心です。また、機内食が合わない場合の“保険”としても有効です。
ただし、匂いやにおいの強い食品、汁気の多い食品などは機内では控えめにし、周囲の乗客に配慮するように心がけるとより快適です。
“機内食あり／なし”を事前にチェックして、必要なら自身で食事を確保
予約時や搭乗前に、該当便に機内食サービスが付いているかどうかを確認する習慣をつけることが重要です。特に格安航空や短距離便では食事サービスが省略されることもあるため、過信は禁物です。
サービスがない、または過去に質が低かった便を使う場合には、飛行機に乗る前にしっかりと食事を済ませておくか、空港で持ち込み可能な食事を用意しておくと安心です。
このように、搭乗前の段階で“機内食に頼るかどうか”を決め、準備を整えておくことで、“ひどい機内食”に遭遇するリスクをかなり減らすことができます。
“ひどい機内食”を“まあまあ”にする／覚悟するための心構え
機内食に期待しすぎると落胆しやすいため、「空の上での食事」をどう捉えるか、心構えを変えることで満足度を少しでも上げることができます。ここでは、機内食の限界を理解しつつ、それでも“まあまあ”にするためのコツとして、意識しておきたいポイントをまとめました。
高すぎる期待をせず、「移動食」として割り切る
まずは「これからの食事はあくまで移動中の“お腹を落ち着かせるためのもの”」という前提で考えると、失望感が和らぎやすくなります。
飛行機では環境の制約でどうしても味や雰囲気に限界があるため、「地上での食事」と同じレベルを期待すべきではありません。
旅の目的が「目的地への移動」であるなら尚更、機内食を“メインの食事”として重視せず、「眠気覚まし」「空腹対策」「なんとなくの食事」であると割り切るのが合理的です。
このように心のハードルを下げるだけでも、「ひどい機内食」が“まあまあ”に感じられる可能性は大きくなります。
ソース多め／味が濃いメニューを選ぶ／味覚が鈍る条件を意識する
飛行機の機内では気圧や湿度、騒音の影響で味覚や嗅覚が鈍くなり、甘味・塩味を感じにくくなることが知られています。
そのため、機内食を頼む際はソースがしっかりしているもの、濃い味付けの料理、あるいはうま味の強いメニュー（トマトソース、きのこ、チーズなど）を選ぶと、比較的“満足度”を感じやすくなります。
もし可能なら持参した調味料（ソース、塩、スパイスなど）で味を補強すると、地上並みとはいかないまでも「味の調整」ができ、機内食の印象はかなり変わるでしょう。
機内食以外（サービス、座席、価格）とのバランスで総合的に捉える
機内では食事だけに注目せず、座席の快適さ、サービス内容、価格なども含めて「総合的な移動体験」として考えると、満足度の評価を偏らずに済みます。たとえ食事が期待外れでも、座席の広さや機内サービスが良ければ「まあ全体としては良し」と納得しやすくなります。
特に長距離フライトでは、機内食はあくまで付帯サービスの一部です。食事の質だけを厳しく見ず、「移動時間」「快適性」「コストパフォーマンス」を含めたバランス感覚が大切です。
このように視点を広げることで、「機内食がイマイチだったからこの旅はダメだった」といった過剰な失望を避けやすくなります。
写真・SNS映えは諦め、「お腹を落ち着かせる」「最低限の食事確保」と割り切る
旅行では“映え”を気にすることもありますが、上空の機内食でそれを期待すると、ほとんどの場合が裏切られます。まずは「見た目」ではなく「お腹が満たされるか」「体に必要な栄養・水分を確保できるか」に重きを置きましょう。
特に機内の乾燥や気圧変化で水分補給は重要です。たとえ料理が満足できなくても、十分な水や飲み物でのどを潤し、体調管理をすることで「機内での不快さ」をかなり軽減できます。
こうした割り切りと準備があれば、機内食は“豪華な食事”ではなく“無難な移動食”として機能し、不満より安心感を優先できるようになります。
まとめ
本記事では、「機内食がひどい」と感じられやすい理由を、実例とともに丁寧に探ってきました。
まず「まずい・量が少ない・見た目が悪い」といった体験は決して珍しくなく、その背景には、飛行機という特異な環境や、調理→冷凍→再加熱といった供給過程、さらには大量供給のためのコスト・品質の制約などが複雑に絡んでいることが見えてきました。
また、多くの報告や口コミから、こうした“ひどい機内食”は、便の種類や航空会社、提供食の条件によって差が大きいことも明らかです。
そして、乗客の側でできる“回避策”や、“覚悟／割り切り”の心構えを持つことで、機内での食事体験を多少なりとも改善する余地もあることがわかりました。
最終的には、「飛行機での食事」を“贅沢な食事”としてではなく、「移動の途中での栄養補給／空腹しのぎ」として割り切ることが、機内食に対する失望やストレスを減らす鍵となります。
次に飛行機に乗るときは、本文で紹介した対策や心構えを思い出して、“ひどい機内食”と感じる可能性を少しでも下げてみてください。
